☆☆☆ お 話 ☆☆☆
ひとりのチェロキーの年寄りが、
孫たちを集めて、人生について、次のように教えた。
人間の心の中には、オオカミが二匹、
すみついている。
その二匹のオオカミが、
このわしのなかでも、つねに悲惨な闘いを、くりひろげているのだ。
一匹は、悪いオオカミでな。
恐れであり、
怒りであり、
妬みであり、
嘆きであり、
後悔であり、
強欲であり、
傲慢であり、
過ちであり、
敵意であり、
劣等感であり、
嘘であり、
自惚れであり、
自尊心であり、
競争心であり、
優越感であり、そしてエゴのことだ。
で、もう一匹のほうは、
よいオオカミで、それは、
よろこびであり、
平和であり、
愛であり、
希望であり、
分けあいであり、
穏やかさであり、
謙遜であり、
優しさであり、
思いやりであり、
慈悲の心であり、
友情であり、
共感であり、
寛大で広い心であり、
真理であり、
哀れみであり、そして信頼だ。
わしのなかでこの二匹のオオカミがたえず争いあっているように、
おまえたちのなかでも、
同じ二匹のオオカミの闘いが起きている。
それはまた、すべての人たちの心のなかでも起こっていることなんだ。
孫たちはしばし黙ったまま、言葉の意味を考えていた。
やがて子供のひとりが曾祖父にたずねた。
「で…どちらのオオカミが勝つのですか?」
老人はこたえた。
「それはお前が餌を与える方のオオカミさ」
ホピの書より
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